20周年記念

20周年記念

会長挨拶

会長 櫛引利貞
ひろさき産学官連携フォーラム
会長 櫛引利貞

 時下ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。
 平素は、格別のご高配を賜りまして深く御礼申し上げます。

 ひろさき産学官連携フォーラムは平成17年1月に結成され、この度、設立20周年を迎えることと相成りました。
 これもひとえに皆様方のご支援、ご指導の賜物と心より感謝しております。

 当フォーラムは弘前市商工部と弘前大学研究・イノベーション推進機構が共同で事務局を運営し、企業活動や研究活動の参考となるような講演会・セミナーを定期的に開催し、会員の知見、技術の向上と会員相互のネットワークの構築を促すなど、弘前地域を中心に産学官交流の場を提供し、新商品・新産業の創出を目指す活動を行って参りました。

 現在、弘前市では市政の基軸に据えている「健康都市弘前」の実現に向けて、分野横断で様々な施策を展開しており、市民や事業者との協働、国や県、圏域市町村との連携により、市民が将来にわたって住み続けたいと思えるまちづくりに取り組まれております。

 また、弘前大学は,令和7年1月に文部科学省の「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択され、「グローバルWell-being(心身の健康と幸福)研究」で世界トップレベルの研究拠点を目指すとのことで、今後、世界の研究者ら多くの人材の集結と、地域への波及効果とともにイノベーションを加速させていくものと考えております。

 近年は、人口減少による経済規模の縮小など、地域経済を取り巻く環境は非常に厳しい状況が続いておりますが、弘前市、弘前大学、そして弘前地域の産業界の英知を結集し、新産業・新事業の創出促進につながる活動をより一層展開していきたいと考えております。

 最後に、皆様のご健勝とご発展を祈念するとともに、今後も当フォーラムに対してご支援、ご指導賜りますようお願いして、挨拶といたします。

ひろさき産学官連携フォーラムとは

 ひろさき産学官連携フォーラムは、青森県内で一番歴史が古い産学官連携組織であり、弘前大学、弘前市が共同で事務局を務め、『弘前地域を中心に産学官交流の場を提供し、新商品・新産業の創出を目指す』をスローガンとして、公的研究機関、産業界、行政等との連携・交流を促進し、「産業の芽」の発掘と新たな事業展開やサービスを提供できる企業創出を目的に活動しています。

ひろさき産学官連携フォーラムの構造や関係を表した図

主な活動内容

1.普及啓発・情報提供事業

  1. 総会・講演会等の開催(主催)
  2. 講演会の開催(共催)
  3. イブニングフォーラムの開催
  4. 情報収集・提供

2.調査研究支援事業

  1. 既存研究会の運営(通年)
  2. 新規研究会の設置支援(随時)
総会・講演会の会場内での様子
総会・講演会の様子
展示会ブースでの情報収集・提供の様子
情報収集・提供(展示会出展)

現在の組織

役員

  • 会 長 :櫛引 利貞(カネショウ株式会社 代表取締役)
  • 副会長 :曽我  亨(国立大学法人弘前大学 理事(研究担当)・副学長)
  • 副会長 :舘山  大(地方独立行政法人青森県産業技術センター 弘前工業研究所 所長)
  • 幹 事 :北村 裕志(六花酒造株式会社 代表取締役社長)
  • 幹 事 :榊  美樹(東和電機工業株式会社 代表取締役社長)
  • 幹 事 :東  康之(東北化学薬品株式会社 代表取締役社長)
  • 幹 事 :尾形 慎哉(株式会社シバタ医理科 代表取締役社長)
  • 幹 事 :清藤  崇(株式会社栄研 代表取締役)
  • 幹 事 :水口 清人(タグボート株式会社 代表取締役)
  • 会計監事:斎藤  勲(株式会社パッション 代表取締役)

会員(法人会員80社/個人会員78名)

  • 産業界 :産学官連携による研究開発に関心のある企業経営者、企業研究者
  • 研究機関:弘前大学研究者、青森県産業技術センター等
  • 行政機関:行政職員、産業支援機関職員

事務局

  • 事務局長:岩崎 文彦(弘前市商工部 部長)
  • 事務局 :弘前市商工部産業育成課
         弘前大学研究・イノベーション推進機構

研究会の名称

現存設置研究会

  • 白神酵母研究会(平成25年度~)
  • 医工連携研究会(平成26年度~)
  • 青い森の食材研究会(平成28年度~)
  • カルヴィル研究会(令和3年度~)

過去設置研究会

  • りんご鹿角霊芝研究会(平成17年度~平成21年度)
  • 微細加工・計測研究会(平成17年度~平成26年度)
  • 新医療福祉システム研究会(平成18年度~平成26年度)
  • プロテオグリカン応用開発研究会(平成18年度~令和4年度)
  • 食品生理機能研究会(平成21年度~平成28年度)
  • カーボンオフセット農業研究会(平成22年度~平成24年度)
  • 台湾ビジネス戦略研究会(平成25年度~平成28年度)
  • ヘルスプロモーションサービス創出研究会(平成26年度~平成29年度)
  • 3Dプリンター研究会(平成26年度~平成29年度)
  • コーディネート研究会(平成29年度~令和元年度)
  • りんご/さくら和紙研究会(令和2年度~令和6年度)

研究会の紹介

白神酵母研究会

 白神酵母研究会は、白神山地から分離した酵母Saccharomyces cerevisiae(登録商標:弘前大学白神酵母)の普及を図ることを目的として平成25年に設立されました。以来、年2回の一般・業者向け研究会を実施するとともに、アグリビジネス創出フェア、津軽の食と産業まつり、弘前大学総合文化祭等での商品出展や、果実酒用酵母パンフレットの作成と配布を通じて広報を行っています。

 本研究会の活動を通じて、弘前大学白神酵母の利用は徐々にではありますが拡がってきており、平成25年度には1業者による利用でしたが、令和6年度には9業者にまで増えて、りんご酢・清酒・シードル・アップルブランデーなど約20種類の製品が開発・市販されるまでに至っています。現在はさらなる利用拡大を目指して、パンの発酵酵母やビールの醸造酵母に使用可能かどうかの試験研究を行っています。

弘前大学白神酵母のロゴ
弘前大学白神酵母のロゴマーク
白神酵母で醸造されたビールや日本酒などの製品
弘前大学白神酵母で醸造した製品

医工連携研究会

 弘前市では若年層の流出問題により、魅力的な働く場を地元に創出することが求められています。一方、弘前市は、独自技術を基に高シェア製品を提供している精密機器関連産業が集積しており、かつ、弘前大学では医用システム事業の創出を目的とした人材育成教育が行われてきました。

 そこで、平成26年度に発足した医工連携研究会では、弘前市をはじめとする地域自治体や弘前大学、地元企業を中心とした産業界とも連携し、これら有形、無形の資産を継承・融合することで、医用システムの開発製造に関する教育や研究、地域貢献のさらなる発展や地域産業の大きな変革を目指して以下の活動を行ってきました。

  • 医用システム開発の共同研究
  • 展示会参加、開発した技術・商品の紹介
  • 技術セミナー、知財戦略セミナーなどの実施

 これまでのご支援に感謝するとともに、今後も精力的な活動を継続できますようご指導ご鞭撻賜りますようお願い申し上げます。

医工連携技術セミナーの会場風景
医工連携技術セミナーの様子
採血ロボットの展示会出展風景
採血ロボットの展示会出展の様子

青い森の食材研究会

 本研究会は平成28年度からひろさき産学官連携フォーラムの研究会となり、青森県の食の研究者が運営し、フォーラム会員は誰でも参加できます。本会の目的は、県産食材の栄養や機能性のデータを一元化して情報発信し、食材の普及・活用、本県食産業の振興等に寄与することです。そのために二つの事業を行っています。

 第一の事業は、県産食材の栄養・機能性・特徴等をまとめた機能性食品素材ハンドブックの発行とデータベースの運用です。第10版まで改訂を重ね、技術相談や商品開発のための資料、教育等、多方面で利用していただいております。

 第二の事業は、普及・活用促進事業で、食品の機能性や利用法、制度等に関するセミナーを毎年開催しています。また、展示会に出展して県産食材をアピールするとともに、事業者と共同開発した県産食材製品等も紹介してきました。

 今後も県産食材に関する最新で有益な情報を発信して参ります。

機能性食品素材ハンドブックの表紙画像
機能性食品素材ハンドブック(表紙)
青い森の食材研究会セミナーで講師が登壇し、参加者が聴講している様子
青い森の食材研究会セミナーの様子

食品生理機能研究会

 本研究会は平成21年に元弘前大学農学生命科学部の片方陽太郎教授を会長として発足しました。食品と健康増進のつながりを研究している研究者と、製品開発、販売に関わる地域企業との交流を深め、研究と地域産業の活性化を目指すものでした。同年7月にはキックオフセミナーを開催し、新しい共同研究や共同研究製品開発の発端になる情報交換をする場となりました。研究会の活動を通じて弘前市の有限会社まごころ農場様と弘前大学による、ミニトマトの成分分析による生理機能評価に係る共同研究が実施できました。

 この研究会を通じてたくさんの方と知り合いになることができ、現在の研究活動に役立っております。研究会はその後、現在の「青い森の食材研究会」と発展的に合併し、研究会の理念は引き継がれています。

食品生理機能研究会セミナーで講師が発表し、参加者が聴講している様子
食品生理機能研究会セミナーの様子
有限会社まごころ農場が提供する、赤や黄色など様々な色のミニトマト
有限会社まごころ農場提供 様々な色のミニトマト

りんご/さくら和紙研究会

 主要な観光資源である「りんご」と「さくら」の新しい活用方法として、多くが廃棄処分される剪定枝を原料とした「和紙」を作製し、産学官連携により、新しい製品やサービスの開発、並びに新しい観光資源の創出や循環型産業の構築を実現させることを目指して令和2年度に設立されました。公益財団法人むつ小川原地域産業振興財団の研究助成にも3年連続で採択され、試作品開発や普及活動を行いました。

 りんごやさくらの剪定枝等の木材を用いて和紙を作製し、ねぷた、津軽凧など伝統工芸、日本酒やシードル、りんごジュースのラベルやポストカード、一筆箋、カレンダーなどの試作、紙漉き体験ツアーなどの試行といった活動を行ってきました。また、八戸冬季国体の表彰状や弘前ねぷたまつりの前ねぷたなどに実際に使われました。

りんご/さくら和紙研究会による試作した金魚ねぷた
試作した金魚ねぷた
冬季国体の受賞者に贈られた表彰状
冬季国体の表彰状

カルヴィル研究会

 近年、国内のりんご生産において、インターネットなどの普及により、消費者との直接販売が拡大し、品種の多様化が進んでいます。加熱調理適性の高い品種など、生果流通ではないりんごにも注目が集まっています。例えば原料に拘るパティシエにおいても、他店との差別化や高付加価値化によってそれらの品種の利用が求められています。

 わが国のりんご品種は、これまで生食での選抜を主として品種改良が行われてきました。これらのことを踏まえて、新規の料理用品種(カルヴィルブラン)などを新たに活用し、地域のりんご産業活性化の底上げを図るために、令和3年度に当研究会が設立されました。

 これまでテレビ、新聞、HPおよびSNSによって、カルヴィルブランを主とした生食利用ではないりんごの情報発信を行ってきました。また、毎年勉強会などを実施し、料理人と生産者の求める課題を擦り合わせる活動もしています。有志の生産者に対して苗木の普及も行い、将来的に果実の生産量が増大する可能性は高いと考えています。

カルヴィルブランというりんごの実
りんご品種:カルヴィルブラン
カルヴィルブランを使ったタルトタタン
カルヴィルブランを使用したタルトタタン

ひろさき産学官連携フォーラム20周年記念パンフレットPDF